信じる者は美しい
クリス-ウェブ佳子
VOL.5 私が私のスッピンを好きなわけ


好きじゃないから。どうすればいいか分からないから。肌に合わないから。親が許してくれないから。逆にどうして女だからってしなきゃいけないの!?そういった理由ではなく、シンプルに化粧をしないことを選択し、他人の目を気にすることなく、化粧をしていない自分、自分の素顔を心から好きになれたらどんなに素敵だろう。

とまで書き出したところで、今まさにキーボードを叩く私の耳に入ってきたのが「スッピンで学校とか無理じゃない?!」という女子高生たちの会話。試験勉強を理由に、長女のクラスメイトたちが我が家のリビングに集まっています。すかさず「なんでスッピンじゃダメなの?」と尋ねてみると、「化粧をしない自分が許せない」、「スッピンの自分は未完成」、「そもそもモチベーションが上がらない」と騒ぎ立てる彼女たち。たとえ銭湯に行って化粧を落としたとしても、必ずアイメイクだけはして暖簾をくぐるとまで。そして誰かのために化粧をするのではなく、自分のために化粧をする。そう強く訴える女子高校生たち。でもスッピンの自分は許せないと?

中高生から化粧をし始める人は多く、可愛いくなりたいという願望のボルテージは一気に上昇。それに反して、スッピンでいることの価値観は急降下するのはなぜでしょう。そんな私も、実は数年前までは化粧をしないで外出することを不安に思っていました。コンビニに行くにしてもスッピンで出掛けるなんてことは論外。それもこれも、一番の原因は自分の肌に自信が持てずにいたからです。

“美肌は持って生まれたもの“という諦めと思い込みから、スキンケアよりも化粧で誤魔化すことに注力していた私。スッピンは他人の目から隠すもの。そんなふうに自分の素顔を恥ずかしくすら思っていました。でも今の私は”美肌は努力“の信条で、スキンケアを楽しみながら頑張っています。スキンケアを頑張るなんて面倒くさいと思いがちですが、頑張っているという自負があると人はその成果を徐々に見せたくなるもの。それにちょっとしたトラブルにも寛大でいられる余裕がもてます。ときどき「HELLO!」と登場する吹き出物に対しても、「あら久しぶり!」と快く迎え入れ、丁重にケアできる余裕。それって結構重要です。

スッピンへの自信。その鍵は日々の努力の積み重ね。キレイな肌が美しいのではなく、そのために頑張ることが美しい。そう思うようになってから、私は私のスッピンが、スッピンでいることが大好きです。