信じる者は美しい
クリス-ウェブ佳子
VOL.2 分不相応な家具を選ぶ

分相応に暮らす。90代半ばの祖母は曽祖母から常々、「自分、本分、身分、職分を知り、分をわきまえなさい」と言われて育ったそうです。なんて重たい家訓……。能力や立場に相応しく振る舞う。確かにそれが美しいとされた時代もありました。でもそれは、私にはとても窮屈な生き方です。模索しながら、迷子になりながら、遠回りをしながらでも、自分の限界値を超えるのが好きな性分なので。ちなみに年相応に生きる、さらに年相応に装うというのは、おそらく一生できなさそうです。

極論ですが、分相応という考え方はときに可能性や挑戦、成長や許容を邪魔する要因になり得ると思っています。難題かもしれませんが自分の限界を思い込みで決めたり、自分の才能を諦めることをやめれば、あとはもうジタバタともがくしかなく、そうもがいているうちに新たな可能性が見つかったりすれば、それこそラッキー!と考えるのも悪くないものです。

分不相応の利点は人生の岐路だけでなく家具選びにも当てはまります。それは分不相応に大きな家具を選べば、予想以上に良い空間に仕上がるということです。それを言うと大抵の人は驚きますが、良い空間、つまり自分自身がリラックスでき、そして人が集う空間には大きな家具が欠かせないのです。
家具のなかでも面積の大きなソファとダイニングテーブルを多くの人は誤って見積もりがちです。大きなものを選べば動線が確保できないかもしれない。家に人を呼ばないから座席数もそんなにいらないわ。そう考えた結果、小さなものを選び、心地良さと心の余裕を手放してしまうのです。

キーポイントは余分な人数分を考慮すること。座席数は居住者数の2倍あれば間に合いますが、願わくばひとり暮らしなら4人、ふたり暮らしなら6人、4人暮らしなら8人が座れるダイニングテーブルやソファが理想的です。そんなに椅子を置くスペースがなくても、ダイニングテーブルとソファの合計でその人数分を満たすことができれば大丈夫。そしてダイニングテーブルとソファ選びよりも大切なのがラグ選び。

Flooring is the foundation of any beautiful room. - 土台である床をどう仕上げるか、どんなラグを選ぶかはとても大事。もちろんのことラグ選びも分不相応に!小さなラグで部屋を区切れば、実際のサイズよりも部屋が狭く感じられます。挿絵のように同じ形とサイズのテーブルでも、ラグ選びを小さく勝負してしまうと、なんだか落ち着かなかったり、こじんまりとした気持ちになります。 The Bigger, The Better – 是非、参考にしてみてください。